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病院と他の機関との連繋—わが国における病院の公衆衛生活動の現況とその考察(Ⅸ)
吉田 幸雄
1
1病院管理研究所
pp.86-92
発行日 1962年2月1日
Published Date 1962/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201880
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はじめに
病院は,地域(または特定集団)の公衆衛生活動にとっては有力な存在となるべき機関であるが,病院が独自で活動するよりも,その地区の保健所はもちろん,開業医または診療所,あるいは他の病院と連繋した活動をすることにより,その活動はよりその地域にとって効果的な公衆衛生活動を行ないうることは当然である。
しかるに,これらの保健関係機関との連繋方式については,日本のいかなる地域でも,日本の現在おかれている歴史的な背景や医療制度のあり方から,理想的な機構がまだ定型化されたところがないように見受けられる。しかしながら,病院の公衆衛生活動は,時代の要請でもあるから,必ずしもその協力組織が意識して確立されていないにせよ,保健所,病院,開業医の連繋が何らかの形で,有無相通じようとしている自然な現象が皆無ではないものである。
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