--------------------
わが国における病院の公衆衛生活動の現況とその考察(Ⅲ)—結核,急性伝染病,性病
古屋 暁一
1
1国立東京第一病院内科
pp.275-277
発行日 1961年4月1日
Published Date 1961/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201785
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
I.肺結核
病院が外来または入院患者として取扱う結核症,殊に「肺結核」の治療,または生活指導あるいは家族検診等は,それを意識して行なうと否とに拘らず,病院が日常の診療のうちに実施している公衆衛生活動の重要な一部を形成していると考えられる。そこで本研究班では,それらのことが実際にどの程度に,また,どのような風に行なわれているか,その実態をアンケート形式で調査し,同時に病院長またはそれに携わる専門医師の意見を徴した。
まず,病院が患者の治療的指導,乃至は後療法もしくは家族の保健指導等のために,例えば「結核相談室」の如き施設を院内に設置しているかどうかについて解答を求めたところ,これを「設置している」病院は極めて少数(24257)であつた。それ以外の病院では患者または家族の保健指導は外来または病室で行なわれ,「主として医師自らに依る」場合が大多数(261/302)である。少数例において,看護婦(12302)または保健婦(14302)をして行なわしめている病院もあるが,この問題については「保健所に任せる」病院も同じく少数例(14/302)あることが明らかとなつた。
Copyright © 1961, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.