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新たに考案した精神病院の温度表
西尾 友三郎
1
1昭和医科大学附属鳥山病院
pp.910-914
発行日 1960年12月1日
Published Date 1960/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201743
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病院における温度表の重要性は今更論ずるまでもなく,各病院はそれぞれ独自の形式を考案して看護の完全を期し,また請求医事の基本資料に便ならしめようと努力している。
ところが精神病院においては一般の身体疾患病院とは種々の点で相違がある。即ち精神病院の入院患者は精神病,精神病質,精神薄弱等の病名のものであり,その患者の看護は日常の詳細な言動までも注意し時には指導時には介補被護その他多岐にわたる人間学的看護を必要とするのである。このような看護に際して看護記録たる温度表は精神病院と一般病院とでは大いに内容が異なることは自明の理であろう。しかも前記のような患者に薬物的,物理的あるいはまた外科的治療を加えるには身体面の管理も必要であるし,更にまた種々の合併症の状態,身体的には健康である者についても日常の肉体的な異和をも記録しなければならない。入院患者を個別的に考えれば身体的には特に合併症もなく,いわゆる身体医学的治療の段階も終えて生活療法(生活指導,レクリエーション,作業等の)的な扱いを重点としなければならない患者や,とにかく第一に身体症状を対象としてゆかなければならない人々などの差異がある。
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