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中小都市の公立病院はどうあるべきか
伊藤 浜吉
1
1愛知県瀬戸市公立陶生病院組合
pp.93-98
発行日 1960年2月1日
Published Date 1960/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201613
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はしがき
市町村合併の促進に伴い,多数の中小都市が誕生し,其の何れもが,一面市の面目上,一面市民の福祉施設として,市民病院の新設既設病院の拡充強化が,力強く進められ,国民皆保険の実施は更にこれに拍車をかけて,市立病院ブーム時代とでも云うべき実状で,国民の保健衛生上誠に喜ぶべき現象である。勿論,最初から,病院事業は決して営利事業ではないので,或る程度の一般市費の繰入れや,起債の償還は覚悟の上であるが,愈々運営してみると,赤字が余りにも大きかつたり次から次へと,新しい医療施設の整備に,多額な市費の繰入れを要して,其の運営に悩み,ひいては一般市政にまで,悪影響を及ぼしている実例が案外多い現状である。これが解決策として,中小都市の公立病院は,どう企画し,どう運営すべきかについて,愚案の一端を述べて,関係各位の高批を仰がんとして,この稿を草した次第である。
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