特集 医事業務
医事統計
尾口 平吉
1
1県立十日町病院
pp.883-889
発行日 1959年11月1日
Published Date 1959/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201586
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はじめに
病院がその目的を忠実に追求してゆくためには,経営が常に健全な状態に置かれなければならない。病院経営の健全な状態とは,いかなる状態かと言えば,それぞれの経営主体により,病院の種別により異なるものである。ただ日本の病院においては,経営に要する費用は原則的に,患者の診療収入をもつてまかなつている。社会保険診療報酬も,その計算方式に幾多の難点は見いだされるが,経営に要する費用に見合うように計算することを建前としている。経営に要する費用の内容については,いずれ別の機会に述べることとするがこのような言わば自収自営の企業として性格づけられていることは否定できない。
このような日本の病院経営のあり方から,健全な経営とは,一応その病院の維持,運営に必要な費用を診療報酬によつてまかない得る状態を言うものであり,経営の合理化が要求されてくる経営の合理化は,病院の診療圏内において可能な限り,経営上適切な規模を持ち,収入の増加をはかることと,費用を切りつめること,無駄をはぶくことの両面が含まれなければならない。
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