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エチオピアの衛生事情と病院
小西 宏
1,2
1人事院厚生課
2前厚生省医務局
pp.367-373
発行日 1959年5月1日
Published Date 1959/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201511
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一般事情
エチオピアはエリトリア(旧伊領,第2次大戦後エチオピアに合併)をもつて紅海に面し,北と西はスーダン,東は英仏ソマリランド,東南はソマリア,南部はケニアとそれぞれ境を接している。緯度では北緯4°から18°にまたがるので,熱帯地域に属するわけであるが,エリトリアを除いては1,000米以上の高原および山岳地帯であるため気温はその高度によつて異なる。大別して高温地帯(1,600米以下),温暖地帯(1,600米〜2,400米),寒冷地帯(2,400米以上)の3地帯に区分されるが,一般に四季の変化は少なく,乾期(9月〜6月)と雨期(6月〜9月)に分れ,雨期にはやや涼しくなる。首都アデイス・アベバは2,200〜2,500米に位するので,雨期になると20°を割ることがあり,夜間には更に気温が下るので煖炉に火が欲しくなるくらいである。
人口は,まだ国勢調査を実施したことがないので正確にはつかめていないが,1,800万前後と推定され,国の広さは日本の約3倍であるので人口密度は約1/15となる。人口の70%以上が温暖地帯に集中している。
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