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病院革命の必然性
守屋 博
1
1厚生省病院管理研修所
pp.43-44
発行日 1953年2月1日
Published Date 1953/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200604
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およそ世の中にある物は何でもきわめて除々ではあつても,進歩しつづけるものである。その進歩は時々瞠目的に急速に行れて,全く別物があらわれた様に見られる事がある。これを我々は革命と云う。革命と云えば常々暴力革命,或は赤色革命を連想するのできわめて好しくないと考えられるのだが,現に我々の政治体型に於ても何回もの革命が行れている。若し明治維新がなくて未だに封建政治や分藩政治が行れていたらどうであろうか。世界社会と云う流れに乗るのには好むと,好まざるには問わずこの様な革命が必要であつたのだ。しかしある人は,何もこんな革命的速度で行れなくてもきわめて除々に良識的に変化しつつ自己適合さす事が出来るではないかと云うが,古来主権者は主権者の位置を代る事を好ぬもので,しかも一度主権者になると現在の制度にきわめて保守的になるものである。したがつて,同一主権者のもとではいかにその人が進歩的であつても進歩の速度は限定されていて,若し社会の他の分野の進歩においつけぬ時は,他の主権者が表れる。即ち革命が行れる以外に方法はない。
さて,この様な革命はどう云う時期どうした動機で行れるかと云えば次の原因が考えられる。
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