--------------------
書評 緩和ケア薬物療法の“バイブル”―Robert Twycross,Andrew Wilcock,Mervyn Dean,Bruce Kennedy(編)武田 文和,鈴木 勉(監訳)『トワイクロス先生のがん緩和ケア処方薬─薬効・薬理と薬の使い方』
恒藤 暁
1
1大阪大学大学院医学系研究科
pp.907
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102663
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
わが国の緩和ケアは21世紀になって著しく広がってきた.緩和ケアチームのある医療機関は600を超え,緩和ケア病棟のある医療機関は280になった.基本的緩和ケアを学ぶ研修会が全国各地で開催されており,今後,専門的緩和ケアの教育・研修の重要課題となっている.このようななかで,『トワイクロス先生のがん緩和ケア処方薬』が発刊されたことは,まさに時宜にかなっていると言える.
トワイクロス先生は英国オックスフォード大卒業後,近代的ホスピス運動の発祥の地となったセント・クリストファー・ホスピスの研究所長となり,オピオイドの臨床研究に関わり,経口モルヒネ投与法を確立された.WHO方式がん疼痛治療法の作成者の一員を務め,普及活動に大きく貢献された.さらにオックスフォード大緩和医療学の初代教授に就任し,臨床と教育に取り組まれた世界の緩和ケアの指導者の一人である.本書の発行により,トワイクロス先生のこれまでの経験と知識が集大成された最新のものを日本語で読むことができるようになったことに感激する次第である.
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.