連載 医療安全のこれから・4
医療安全部門の戦略部門への転換―メタマネジメント・チェンジマネジメントのケーススタディ
古田 康之
1
1安房地域医療センター医療安全管理室
pp.898-903
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102661
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
1999年以降,医療安全管理者が中心となり,病院内の医療安全活動に邁進してきた結果,医療安全に関する体制や仕組みづくりは概ね完成,定着してきた.その一方で,「悩み」「燃え尽き」「疲弊」した医療安全管理者も存在する.前回は,その原因を探りつつ,医療安全管理者に求められるマネジメントのあり方をメタマネジメント,チェンジマネジメントという概念で再考し,現場への適応方法を紹介し,新たな改革となるムーブメントを起こそうという提案がなされた1).
従来の医療安全管理部門は,インシデント事例の収集と分析を中心とする「CIA的役割」が主であったが,その情報分析の結果をうまく使いながら,最終的には医療安全や質向上に向けて戦略・戦術を立て,組織をリードする部門に転換していくことが求められている.つまり,医療安全管理部門は目指すべき組織的目標についてメタマネジメントとチェンジマネジメントの概念をもって再考し,戦略計画の策定と準備をする「参謀指令本部」に自らを転換し,持てる資源(時間,人材,金など)を集中的に投下することが必要とされている.
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.