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書評 自らの体験を通して症状や問題点を時系列で解説―関 啓子(著)『「話せない」と言えるまで─言語聴覚士を襲った高次脳機能障害』
前島 伸一郎
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1藤田保健衛生大学
pp.491
発行日 2013年6月1日
Published Date 2013/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102552
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本書の著者である関啓子氏はわが国を代表する高次脳機能研究の第一人者であり,言語聴覚療法のエキスパートでもある.これまで30年近く,この領域のトップランナーとして臨床・研究・教育活動に従事してこられた.
その関氏が,自らが被った脳梗塞による症候を分析して解説を加えるとともに,発症から社会復帰に至るまでのリハビリテーションの始終を記録した本書を刊行された.本書の最大の特徴は,脳卒中を罹患した患者が勉強して書いたものではなく,脳損傷による高次脳機能障害の専門家が,自らの症候を主観的に捉えて分析し書かれたところにあり,たぐいまれなるわが国で唯一の書物といえる.
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