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2010年3月23日,名古屋市緑区大高の地に総合病院・南生協病院がオープンした.その概略を述べれば,313床のベッドの半数は個室で,残る半数が4床室である.救急病棟,緩和ケア病棟,透析施設としての血液浄化センター(30床),リハビリセンター,および健診ドックセンターが併設されている.2011年4月における医師数は初年次研修医3人,病理医,麻酔医を含む常勤医師54人,非常勤医師58人である.看護師数は228人で,7対1の基準看護体制を採用している.2010年の年間手術件数は1281例であった.
もちろん,この程度の病院であれば,それ自体は何ら特別なものではない.しかし,この病院には,そのオープン以来,見学者が絶えず,それには医療関係者を始めとして,福祉関係者,協同組合関係者,建設業者,金融業者,自治体関係者,大学教授,映画監督など多彩な人々が含まれ,時には国会議員や中央官庁からの見学者もあった.また,2度にわたる韓国からの見学団の来訪もあった.その結果,来訪者(患者以外)の総数は1年間に延べ2万人を数え,マスコミからの取材と報道も相次いだ(本誌2010年10月号グラフにも掲載).
なお2010年12月には,2010年に新築された建物の中から最優秀建築5件のうちの1つとして,当院が中部建築賞協議会から表彰を受けた.
新病院を含む南医療生協を見学した映画製作者の武重邦夫氏と映画監督の小池征人氏は南医療生協の実態に触れて感動され,南医療生協のドキュメンタリー映画を撮りたいと提案された.南医療生協理事会はこれを積極的に受け止め,既に撮影は終了して,2011年秋に予定されている南医療生協の50周年記念事業の一環として,その上映を位置づけている.
ここでは病院建設の背景とともに,多くの見学者の注目を集めた点について述べる.
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