連載 リレーエッセイ 医療の現場から
国保はホチキス,社保は糊
かたおか 柔
pp.159
発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101899
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レセプト点検の仕事(パート)を始めて3年が経ちました.仕事に就くにあたり,一応,医療事務の資格を取得したのですが,現場に出ると「ひえ~」の連続で,月末月初はいつもドキドキです.なかでも予想外,そして一番の「ひえ~」は「公費」の種類の多さと複雑さでした.
「公費」は,診療報酬の請求業務において,最も神経を使わなければいけない最重要項目です.正しい請求先に正しい金額を請求しなければ「ウチで払う分ではありません」と戻されるし,何より窓口で徴収した額と医療機関に入金される額が異なってしまいます.ところが,医療事務の授業では「難病の患者さんなどに対しては,患者負担を軽減する公費という制度があります」程度に,さらっと触れただけ.初日は先輩方の口から飛び出す「ゴーイチ,ゼロニー」「ニーイチ,キューサン」などが理解できず,レセの山を前にひとり無言で固まっていました.
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