連載 アーキテクチャー 保健・医療・福祉 第193回
お産施設二題―聖路加産科クリニック
木村 敏夫
1
,
鳥山 亜紀
1
1清水建設株式会社 設計本部医療福祉施設設計部
pp.152-155
発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101897
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聖路加産科クリニックは,財団法人聖路加国際病院が新たに開設した自然分娩に特化した施設である.ここでは,母子ともに健康な方を対象に,医療の介入をどうしても必要なものにとどめ,妊婦が本来もつ力を活かした分娩をサポートする.また,健診からお産,産後のサポートを産科医,小児科医と協力しながら主として助産師が担い,緊急時には聖路加国際病院がすみやかな対応を行う.新しいコンセプトに基づいたこの事業は,少子化および産科医不足を憂いた日野原重明理事長と福井次矢院長により,10年以上も前から考えられてきたそうである.妊婦が持つ「産む力」を最大限活かすため,緊張や不安を和らげ,家族に見守られながらお産ができる「我が家」のような出産環境を創り出すことが求められた.
敷地は,築地駅から5分.聖路加国際病院と道路を挟んで北側に位置する.3方をオフイスビルやマンションに囲まれているが,間口約15mの南側には病院敷地の豊かな緑地をのぞむことができる.一見マイナーなロケーションに思われるが,実は聖路加のシンボルであるチャペルの塔が間近に見える貴少な場所である.
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