特集 病院を取り巻く法環境
【インタビュー】
医者に問われるヒューマニティ―法律を超えて
坪井 栄孝
1,2
,
河北 博文
3
1財団法人慈山会医学研究所
2日本医師会
3医療法人財団河北総合病院
キーワード:
医師と法律
,
ヒューマニティ
,
インフォームド・コンセント
,
ヘルシンキ宣言
Keyword:
医師と法律
,
ヒューマニティ
,
インフォームド・コンセント
,
ヘルシンキ宣言
pp.778-780
発行日 2010年10月1日
Published Date 2010/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101796
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河北 この『病院』という雑誌ができて61年になりますが,振り返ってみると,いろいろな意味で,医療に関わる法律の整理は未だなされていません.特集のテーマを「病院を取り巻く法環境」としたのはそのためです.私は法律というのは,人が生きるために整備すべき最低限のものだと思っているのですが,その最低限のものが,今や人の生活だけでなく,医療という人の生死にかかわるところまで,すべて管理するような形になっています.
中世ヨーロッパにおいて,プロフェッショナルと呼ばれる職業は神官,法律家,医師でした.神に仕える神官,神に代わって人間を裁く法律家,そして,人間の命に直接関わる医師です.いずれも共通するのは,人の命に関わることを神から委ねられている,ということだと思います.したがって本来,法律を超えたところにプロフェッショナルとしての医師のあり方があるのだと思うのです.
今日はそうした医師のあり方について,坪井先生にお話しいただきたいと思います.
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