特集 社会保障改革と病院の将来
【日本経団連の提言】
国民全体で支えあう持続可能な社会保障制度を目指して―安心・安全な未来と負担の設計
齊藤 正憲
1,2
1社団法人日本経済団体連合会 社会保障委員会医療改革部
2三菱電機株式会社
キーワード:
中長期的な持続可能性の確保
,
効率的なサービス提供体制の整備
,
保険制度の改革
Keyword:
中長期的な持続可能性の確保
,
効率的なサービス提供体制の整備
,
保険制度の改革
pp.552-555
発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101484
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社会保障制度は国民生活の安心と安全を支え,経済社会の安定を果たす最も重要な社会基盤である.同時に,安心で信頼できる社会保障制度を構築し,その制度基盤を充実させることは,国民生活の向上に大きく寄与するものであり,経済活力の源泉である.少子高齢化が急速に進展するわが国においては,信頼でき,中長期的に持続可能な社会保障制度を早期に確立することが急務である.そのためには,社会保障制度が経済活力を高め,経済成長が社会保障制度の安定と持続可能性を高めるという好循環の形成に向けた取り組みが重要である.
しかしながら,現状では,国民年金における未納・未加入の問題,年金記録問題,医師や診療科の偏在,介護従事者の不足など,いたるところで綻びが目立っており,国民の信頼を喪失しているのが実情である.今こそ,国民が安心・安全でいきいきとした暮らしができる社会の実現を目指して,安定的な財源確保のあり方を含め,社会保障制度の抜本的な再構築に取り組むことが強く求められる.
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