特集 どう生かす診療情報
患者がほしい医療に関する情報
坂本 憲枝
pp.912-916
発行日 2003年11月1日
Published Date 2003/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100727
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近年,今までの医療提供側中心の医療の体系を,「患者中心」,「患者本位」に変えていく必要があるとして,患者主体の医療が提供されようとしている.患者にとって「患者中心の医療」,「患者本位の医療」とはいったいどんな医療であろうか.
それは患者自身が納得できることであり,明らかで,なるほどと実感できることである.すなわち,自分の診療結果にアクセスする権利や知る権利などの基本的な権利が認められることに加え,情報の開示や医療の透明性が担保されることである.
患者主体の医療が行われるためには,患者も今までのおまかせ医療から抜け出し,医師と患者が双方の信頼と協力のもとに病気を克服していくことが大切なこととなる.また,患者が主体的に医療と向き合うためには,的確な判断を行うためのもとになる情報が必要である.
インターネットからの情報提供が進み,広告の規制緩和などの枠組みもできるなど環境整備も進み,医療についての意識も変わりつつある現在,医療の受け手=患者にとって容易に情報が入手できるようになったのであろうか.医療サービスを受ける患者の立場から,医療に関する情報の現状を述べてみたい.
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