連載 病院管理フォーラム
■防犯対策・3
不審者の対策
安東 学
1
1株式会社山武ビルシステムカンパニーセキュリティ本部
pp.1028-1029
発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100436
- 有料閲覧
- 文献概要
近年の新聞,各マスコミ等で報じられる犯罪は,窃盗,置き引き,車上荒らしなどはもちろんであるが,ストーカー,盗撮,迷惑行為など行動が多様化,複雑化している.そのため,防犯,特に不審者対策への取り組みは,今後病院の価値基準を決める項目として大きくなってくると考えられる.だが実際は,「予算がなく,設備の導入は難しい」というお話をいただくことが多いのが実情である.しかし,防犯設備の導入だけが対策ではない.不審者に不審行動,犯罪行動を起こさせにくい環境を整えることが重要である.本稿では,設備以外の対策,また設備導入の優先順位,ポイントなどについてご紹介したいと思う.
1.防犯ポスターなどの設置
防犯に高い意識を持って対処していることを示すポスター,院内掲示,お知らせビラなどは犯罪行動の抑止効果がある.「院内での不審者に注意」「待合室,食堂,病室などでのスリ,置き引きに注意」「防犯カメラ監視中」「不審者,不審物を発見した際は警備室または,最寄りの職員まで」などがある.協会などから配布されるものもよいが,院内で独自に作成したもののほうが,より病院の取り組みが現れる.合わせて,掲示には連絡先電話番号などの記載があるとよい.また,全職員にその趣旨と対応方法の説明も必要である.
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.