特集 医療と経済格差
治療費不払いをめぐる現状と課題―経営揺るがす未収金―見えない打開策
山口 聡
1
1日本経済新聞社生活経済部
pp.628-631
発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100349
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医療機関で治療を受けても一部負担金などを払わない患者が増えている.未収金は膨らむ一方で,病院にとっては経営に影響を及ぼす問題にもなりつつある.原因としては患者の経済状態が悪化していることがあげられ,「経済格差拡大」の一断面との見方もあるが,そう単純な問題でもなさそうだ.制度改革や患者の意識の変化などが絡み合い,解決への道が見えない根の深い問題となっている.
■1 病院当たり年平均 716 万円との調査も
未収金となるのは本来,患者が医療機関の窓口で支払うべき金額.健康保険(社保)や国民健康保険(国保)など公的保険を使って受診した患者の一部負担金のほか,差額ベッド代,出産など保険外の費用が含まれる.そもそも保険証を持たずに受診した患者の医療費が未収金になることも多い.
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