連載 多文化社会NIPPONの医療・3
未収金を発生させない仕組み・工夫
堀 成美
1,2
1国立国際医療研究センター国際感染症センター
2国立国際医療研究センター国際診療部
pp.984-985
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210610
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2017年に入ってから,沖縄に観光に来た妊娠7カ月の女性が急に破水して800万円を超える医療費が発生した事例や,都内の大学病院で1800万円の未収金となった事例が続けて報道されたこともあり,「今後,外国人患者が増えると未収金が増えるのでは?」という不安を聞く機会が増えた.
当院に国際診療部が新設された当初,「未収金対策は医事課の責任」という空気があったため,国際診療部のコーディネーターが積極的に関与できない状況であった.医事課も外国人の受診動向をリアルタイムで把握できないことから支払いに問題がある事例への対応が遅れ,結果として未収につながっていた.そして,未払いのまま退院・帰国した外国人に日本語で督促状を送るなど,実効性のない対応も行われていたため,部門を越えて改善のための検討を行い,「より早期に未収リスクをキャッチし,迅速に対応を行う」体制に変更した.まだ試行錯誤の途上であるが,結果として未収金の件数・金額の減少につながった取り組み例を紹介する.
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