The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 18, Issue 2
(February 1984)
Japanese
English
特集 癌
理学療法・作業療法を施行する上でのリスク―放射線療法を受けている患者
Risk of Physical and Occupational Therapies in the Patients Receiving Radiotherapy
戸張 千年
1
,
浜田 政彦
1
,
山田 英夫
2
Chitose TOBARI
1
,
Masahiko HAMADA
1
1東邦大学医学部放射線科
2東京都養育院付属病院核医学放射線部
1Toho University, School of Medicine, Department of Radiology.
pp.76-84
発行日 1984年2月15日
Published Date 1984/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103027
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はじめに
いわゆる「癌」とは,悪性新生物であり癌,肉腫,白血病などが含まれている.癌患者は,現在死亡率第1位を占めるに至り,その罹患率は徐々ではあるが上昇している.一方,「癌」疾患は従来のように『「癌」になったら手の施しようがない』ということでもなくなってきている.その背景には,各種の癌疾患に対する幾多の治療法の発達がある.したがって,本題に示されるような放射線治療を受けている癌患者のリハビリテーション(以下リハビリと略す)というような従来では想像もつかない領域が新しく生まれてくる.すなわち現在では「癌」は非常によくコントロールされるようになり,延命するようになってきたためと考えられる.
本稿は,癌患者を全体像としてとらえ,理学療法・作業療法の必要性を記述し,さらにリハビリを施行する上で必要で一般的な放射線医学の事項について述べる.
本稿を以下のごとく分け記述する.
Ⅰ.癌と癌患者一般のリスク
Ⅱ.癌患者とリハビリの必要性
Ⅲ.リハビリによる各種組織および臓器への影響
Ⅳ.癌患者と放射線治療
1.放射線物理学
2.放射線生物学
3.放射線治療対象癌疾患
Ⅴ.各種放射線治療癌疾患とリスク
1.頭頸部の癌
2.乳腺の癌
3.皮膚の癌
4.骨・軟部の癌
5.転移性骨の癌
6.神経系(脳・脊髄)の癌
7.小児期の癌
Ⅵ.まとめ
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