特集 精神科作業療法の展望
<随想>
ためいき
香川 優子
1
1山田病院
pp.302
発行日 1978年5月15日
Published Date 1978/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101674
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良きにつけ悪しきにつけ,パイオニアとしての教育を受けてきた私である.が,かといって,卒業当時の様なガムシャラなエネルギーも無いまま,かつてから希望していた精神科に就職する.何でもいい,臨床での勉強が出来れば…との安易な気持から現在の病院に勤務して丸三年になる.
与えられたもの―四畳半ひと間と画用紙,クレヨン,折り紙.受持患者は,院内作業にも生活指導にものらない,発病後十年以上経過した慢性分裂病患者六名.当初,パートであった為,むしろ私には,その方が気楽だとするずるい気持があったことを認める.
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