特集 症状からみた検査のすすめ方
めまい
渡辺 勈
1
1東京医科歯科大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.625-631
発行日 1974年10月20日
Published Date 1974/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208115
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I.はじめに
「めまい」の検査には一定の順序はないと思う。
診察を進める医師の臨床経験や,医師の持つている知識の背景,そして診察される患者の状況によつて,検査のえらび方,進め方は千差万別であつて当然である。
この問題についての一般的な討議は,昭和45年5月,日本平衡神経科学会のワーク・ショップでなされた1)。その結果,検査の進め方に関する一般的な考え方と,必要最少限で,特別の設備がなくとも行ないうる第一次の平衡機能検査(後述)のリストが報告され,その後の検討の資料とされている。
このような現状であるから,本稿も,このワーク・ショップの趣旨にしたがつて,まずめまい検査の進め方についての一般的な考え方を紹介し,これに関連して筆者の経験や意見を述べることとしたい。
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