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外国文献—polyoxymethylenurea
pp.671
発行日 1964年7月20日
Published Date 1964/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203294
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外・中耳の感染症にサルフォナマイド・抗生物質・副腎ホルモン等がひろく使われるが,抵抗菌も少くないし,また有効濃度に薬剤が局所に達しない等の諸問題がのこつている。polyoxymethyleneureaはポリコンデンスのurea-formaldehyde粉末で白色無臭,水に不溶。その制菌作用は分子内のoxymethylene簇に関係があり,さformaldehydeをつくり遊離させるためと考えられている。著者は本剤を実験的に用いて有効であつたので,今回180例の連続新患の247個の耳に用いてみた。外耳中耳の炎症では清拭したのち培養。ポリエチレングライコルで10%にした本剤クリームをリボンカーゼにつけて耳道に入れる。菌検査。症状および検査成績が改善されなければ別治療法に移る。レンサ球菌感染5例のみがこうした別治療法に変つて行つたのみ。治癒したのは慢性外耳炎130例中11例,慢性化膿性中耳炎56例中49例,乳突炎21例中17例,急性中耳炎11例中4例など。菌ではブドウ球菌(68例)92%治ゆ,proteus(40例)85%治ゆ,coliform(32例)97%治ゆ,procyaneus(32例)70%治ゆ,モニリア(17例)70%治ゆ,など。創部はng時間以内に乾燥し,大体12週で満足すべき状態に達する。混合感染で汚い耳などを清浄にするにも適する。副作用として耳痛,発赤などを呈したのは3例のみ。再発は1例のみ。こうしてみると化膿性外中耳炎にもつとも推賞しうる方法ということになる。制菌作用の他に副反応が少く,他の抗生物質の系統的投与と併用できる便があり,外中耳炎ではまず試みてしかるべきであろう。
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