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I.緒 言
1952年,ZoonがBalanoposthite chronique circonscrite bénigne à plasmocytesの名称の下にその症例を報告した事はErythroplasiaに関する見解に対し大きな飛躍となつた。この従来Erythroplasiaと混同視されていたプラスマ細胞浸潤性疾患はZoon以来症例が増し,更に男性外陰部以外にも発生する事が確認され,Garnier,Hornstein1)は女性外陰部の例(Vulvitis)を報告し,Nikolowski & Wiehl2)は頬粘膜発生例を認めている(Pareiitis plasmacellularis)。更にSchuermann3)は硬口蓋の発生例を記載した(Uranitis plasmacellularis)。一方Garnier4)(1957)はBenign plasmacell erythroplasiaの総括名の下に綜説を書いている。本邦でもこの病名に従い良性形質細胞性紅色肥厚症として坂本・杉村5)(陰門炎),蔭山・奥村・山本6)(亀頭炎)'浜松7)(口唇発生例)の報告がある。さて1960年Schuermann8)は之等の症例は人体開口部周辺に発生する事よりPlasmocytosis circumorificialis(以下Pl. c.と略す)の名称で統括した。その後Ferreira-Marques9)(1962)は口唇の症例即ちPlasmoacanthomaをPl. c.の範疇に入れて報告している。本邦では昭和40年西山・小幡10)11)が口唇炎の型をとるものをPl. c.の中に統括して本病型を初めて紹介している。著者も西山らと同じく口唇炎の型をとりPl. c.の範疇に入れてよいと思われる症例に遭遇したので報告する。
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