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淋疾増加に伴い淋毒性関節炎もふえている。Parkland Mem. Hosp年間2870入院につき,淋毒性関節炎115例,他の細菌性関節炎23例で,いかに淋毒性関節炎が多いかが示される。淋関は婦人に多く,泌尿性器症状がないと診断をまちがえやすい。最も確実な診断は当該関節から菌を培養証明することだが,その培養率は50-75%で決して高くない。従つて補助診断法が必要となる。Deacon(PSEBM 101:322 1959)のimmunofluorescent法は菌をその患者から得ないと行ないえないから診断法としては完全でない。そこで著者は淋菌抗体の証明法を考案した。ウサギのanti-humanglobulin血清にfluoresceinをつける。ウサギantigono血清,anti-Escherichia血清などをつくる。淋菌はN. gono,American type culture,No. 11688,Strain 40836。この培養コロニーを燐酸食塩緩衝液に浮遊(2500〜3000個/mm3),4℃で封じ。スライド上で上記の血清,検体と反応させる。H. influenzae,N. catarrhalis,N. meningitidesで,±,+の反応が出たが,他はすべて陰性。これに反し,淋菌はすべて陽性。anti-Ecoli血清,anti-humangl血清には陰性。さて,リウマチ性関節炎16例中1例は本反疑陽性,リウマチ熱,感染性関節炎,正常人は淋菌抗体全く証明されず。淋関22名では19例が(⧺)以上(1:100倍稀釈),1600倍稀釈で(⧺)9例。症状発覚1—2日ですでに反応が出る。
(Hess, E. V. ; Hunter, D.K. & Ziff, M. : Gonococcal antibodies in acute arthritis JAMA 191 (7) : 531-534, Feb. 15, 1965)
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