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特集 泌尿器腫瘍
睾丸
睾丸腫瘍の2例—附教室例17例の臨床的観察
TWO CASES OF TESTIS TUMOR: CLINICAL OBSERVATION ON 17 CASES IN OUR SERIES
佐々木 恒臣
1
,
安達 徹
1
Tsuneomi SASAKI
1
,
Toru ADACHI
1
1札幌医科大学皮膚泌尿器科学教室
1Department of Urology and Dermatology, Sapporo Midical College.
pp.1342-1348
発行日 1964年12月1日
Published Date 1964/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203976
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I.緒 言
睾丸腫瘍に関する報告は次第にその数を増し,その病理組織学的研究及び臨床面での研究が盛んに行なわれ手術的技術の進歩並びに放射線療法の発展により睾丸腫瘍の治療成績は漸次良好となりつつある。本腫瘍の発生頻度は他の腫瘍に比してかなり低いが,しかし乳児から老年に至るあらゆる年齢層に発生するということ及び組織的には良性であつても悪性に変化する傾向が強いという特徴があり,本腫瘍の臨床的意義は極めて大きい。一方本腫瘍のhistogenesisの問題又治療面で積極的リンパ節廓清の可否の問題等,未だ解明されてない面も多い。
我々は最近本腫瘍には珍しい両側性に発生した睾丸腫瘍と,肉眼的に白毛及び軟骨様組織を認めた奇形腫に遭遇したので自験例について述べ,併せて昭和32年以降当教室で経験した15例について考察し更に特に奇形腫及び両側性睾丸腫瘍について若干の考按を試みたいと思う。
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