Japanese
English
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酒皶に関する2,3の経験
EXPERIENCE OF SOME TREATMENT OF ROSACEA
小林 浩
1
,
域野 逸夫
1
Hiroshi KOBAYASHI
1
,
Hayao IKIYA
1
1奈良医科大学皮膚科泌尿器科教室
1Department of Dermato-Urology, Nara Medical College.
pp.503-504
発行日 1964年5月1日
Published Date 1964/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203782
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- Abstract 文献概要
I.丘疹性酒皶と結核疹との鑑別
症例1 44歳男子。13年前左側滲出性胸膜炎に罹患。
初診 2ヵ月前,山林伐採中,強度の日光照射をうけてから顔面の瀰漫性浮腫性腫脹と潮紅,小丘疹,小膿疱の急発を来した。但し丘疹性成分は顔面播種状粟粒性狼瘡の特異な配列(下眼瞼,鼻唇溝など)を示さぬ。頬部毛細管拡張は中等度,顔面皮脂漏は軽度。血沈22mm(平均値)。ツベルクリン反応2重発赤,6×6/12×13,尿中コプロポルフィリン反応陽性。上腕皮膚紫外線照射試験正常。頬部小丘疹中,狼瘡小結節に近似のものにつき組織学的検査を行なつた。真皮中層より下層にかけ比較的境界明瞭な細胞浸潤巣を認める。これは多数の類上皮細胞,多核白血球,リンパ球,形質細胞などより成る肉芽組織である。巨細胞はなく中心乾酪変性もない。小血管内膜の肥厚,部分的閉塞像を見る。皮脂腺の肥大はない。クロロキン内服,チヨコラビオBB注などにより,潮紅性浮腫は比較的速やかに消退したが,丘疹性成分の改善は見られなかつた。丸山氏Neo-TB-ワクチン注を約30回行なつて約2年間で徐々に軽快した。
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