Japanese
English
特集 老人の皮膚泌尿器疾患
尿管腫瘍
NEOPLASMS OF URETER
西村 長応
1
,
金沢 稔
1
Nagao NISHIMURA
1
,
Minoru KANAZAWA
1
1和歌山県立医科大学皮膚泌尿器科
1Department of Dermatology and Urology, Wakayama Medical College
pp.1423-1431
発行日 1958年12月20日
Published Date 1958/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202440
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尿管踵瘍は比較的稀な疾患であるが,泌尿器科領域に於ても,他の尿路腫瘍に比し,関心をもたれる事が割合尠なかつたように思われる。
然し,その臨床的意義は決して軽視すべきでなく,尿の通過障碍により比較的早期に腎機能に重大な影響を及ぼす可能性のある事,又一方,腎盂腫瘍に於ては腎実質は腫瘍の拡大に対し部厚い障壁を形成しているし,膀胱腫瘍に於ても膀胱の筋層は之と同様な役割を果しているのに反し,尿管にはそのような障壁はなく,極めて薄い筋層を有いているに過ぎず,又淋巴管が豊富である為,尿管に発生した腫瘍は同程度の悪性のものでも,腎盂や膀胱に発生した腫瘍に比し遙かに増殖性が強く,転移も起し易い事,且つ多発性傾向が強い事等の為予後が悪く,又一方,診断もかなり困難である等のことからしても,その臨牀的意義は軽んずる事は出来ない。
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