Japanese
English
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2〜3皮膚疾患のチスカルGによる治験
ZYSCAL-G IN THE TREATMENT OF SOME SKIN DISEASES
外松 茂太郎
1
,
前田 明
1
,
広井 潤
1
Shigetaro Sotomatsu
1
,
Akira Maeda
1
,
Jun Hiroi
1
1京都府立医科大学皮膚科泌尿器科学教室
1Department of Dermato-urology, Kyoto Pref. Med. University
pp.1025-1027
発行日 1957年11月1日
Published Date 1957/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202100
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皮膚は蛋白質に富み窒素含有量は3.5〜4.5%を占め,筋肉の3.4%,肝臓の2.2%より大く,而も皮膚組織は人体組織の16%にも当り,従つて生体全体としての蛋白代謝,殊にアミノ酸代謝に皮膚が関与する所は大きい。チスチンCystineは生体の生長維持に必要な含硫アミノ酸であるが非必須アミノ酸であり,メチオニンMethio-nineさえ充分に与えればチスチンの需要量は体内において合成される。しかしチスチンを充分に与えるとメチオニンの需要量を約6分の1減ずることが出来,又チスチンの生物学的作用はメチオニンと自ら異る所がある。以下チスチンの生物学的作用を特に皮膚科領域に関係あるものに就て少しく挙げて見よう。
田中によると健常馬血清による廿日鼠の過敏症発現がチスチンによりある程度抑制され,広中も同様な報告をしており,又 Remebaum 及び Thompsonはチスチンがヒスタミンによる急性中毒を著しく解毒し,Edlba-cherはアミノ酸の抗ヒスタミン性に関する研究で真の抗ヒスタミン剤はヒスチヂンHistidine,アルギニンAr-ginine,チスチンであること,加藤もチスチンの抗ヒスタミン性を報告している。
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