皮膚科図譜・71・72
Cryptococcus neoformans/局所性多毛症
福代 良一
1
,
西山 茂夫
1
1東大皮膚科
pp.281-282
発行日 1957年4月1日
Published Date 1957/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201926
- 有料閲覧
- 文献概要
Cryptococcus neoformansはクリプトコツクス症の原因菌である。症例は13歳の男児,脳腫瘍の疑で東人小児科に入院,髄液検査により本症と診断され,のち死亡,剖検により脳膜に肉芽腫性病変が証明された。剖検時採取した髄液を分与され,検索した結果をこゝに掲げる。髄液は軽渡に白濁,沈渣の生標本に大小の,二重構造の時に分芽を示す胞子が多数,カプセルは認められない(第1図,×400)。但し,組織破片内ではゼラチン様のカプセルを認め(第2図,×400),墨汁標本でカプセルは明瞭となる(第3図,×400)。組織破片内には少数の仮性菌糸もある(策4図,×400)。沈渣のPAS染色では胞子が萎縮,やゝ角ばつて見える(第5図,×400)。巨大培養では40日で28×25mm,集落は灰白色,クリーム状,粘稠(第6図)。培養の検鏡では分芽が多数,仮性菌糸もあるが,カプセルは明かでない(第7図,×400)。
Copyright © 1957, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.