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胃癌の手術後軽快せる黒色表皮腫
淸寺 真
1
,
徳沢 邦輔
2
1群馬大学医学部皮膚科泌尿器科教室
2群馬大学医学部第二外科教室
pp.593-596
発行日 1956年9月1日
Published Date 1956/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201756
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1890年PollitzerとJanovskyにより始めて記載せられた黒色表皮腫はあらゆる関節窩の色素沈着及び乳頭腫様増殖を来し,粘膜も肥厚する比較的稀有な疾患で,本邦に於いては1901年坂津のそれを嚆矢とし,現在まで本例を含めて115例が報告されている。そしてその原因については1)内臓癌の毒素(Unna, Darier, Tomassolli等),2)内分泌障碍(Porias等),3)植物神経系の失調等諸説があるがなお定説を欠いている。又経過によつて1)良性型(悪性腫瘍を見ず,主として思春期に多い)と,2)悪性型(癌腫の合併を認め,皮膚症状も高度でほゞ癌発生年令に多い)とに分けられているが,最近Curthは肥満型に併発するものをPseudo-Acanthosis nigricansと呼んで良性型より分離した。
われわれは最近定型的な悪性型の1例を経過し種々の検査を行うと共に合併胃癌を剔出することによつて,皮疹を著しく軽快せしめたのでこゝに報告しておきたい。
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