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グラビッツ腫瘍の2例
今北 力
1
,
福田 一郎
1
,
黑田 守
1
1大阪大学医学部皮膚科泌尿器科学教室
pp.523-527
発行日 1954年9月1日
Published Date 1954/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201264
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I.緒言
1883年Grawitzは以前腎臓の腺腫又は脂肪腫として発表されたものはその組織像が副腎組織に似ている事より,本腫瘍は副腎迷芽より発生する特別の腫瘍であるとしてStruma suprarenalisaberrataと命名した。爾来本腫瘍はGrawitz腫瘍又はBirch-Hirschfeldの提唱によるHyper-nephrom (副腎腫)として幾多の研究発表があるが,その病理組織像延いてはその発生機転に関しては尚諸学者間に論争があり,未だ定説を欠いている。
私達は当初腎臓腫瘍の診断の許に腎剔出術を施行し,組織学的検索の結果本腫瘍と確定し,然も1例は後日肋骨に転移を来した興味ある症例を経験したので茲に報告して参考に供したい。
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