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哺乳による無辜梅毒について
中尾 泰三
1
1九州大学医学部皮膚科教室
pp.243-245
発行日 1954年4月1日
Published Date 1954/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201191
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緒言
1917年Bernheimが輸血による無辜梅毒の1例を報告して以来無辜梅毒に関する報告は,内外を通じて幾多の文献がみられるが,本邦における無辜梅毒は,明治33年,高安氏の報告を以て嚆矢とする。その後昭和10年,斎藤氏等によつてはじめて無辜梅毒の統計学的観察がなされた。
また輸血法の応用範囲の拡大とともに憂うべき輸血による無辜梅毒の数は,昭和7年,中野氏は,輸血による梅毒感染をおこした1例を報告し,昭和8年皆見旭両氏の輸血後著明な梅毒症状を認めた症例の報告以来次第に増加してきた。
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