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著明なる肺轉移を認めたゼミノームの1例
佐藤 五郎
1
,
淺井 明
2
1國立栃木病院皮膚科泌尿器科
2慶應義塾大學醫學部皮膚科泌尿器科教室
pp.685-687
発行日 1953年11月1日
Published Date 1953/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201077
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緒言
1906年Che vassuは此の腫瘍を細精管上皮細胞より發生するものなりとし,これを精上皮腫,(Epithelioma seminale)又は精腫(Seminom)と命名した。Oberndorterは必ずしも細精管上皮に組織的由來を帰すべきものに非ずとし,これを以て睾丸に於ける特異の腫瘍とした。即ちSe-minomの名稱は發生學的見地より之を使用するものと,單に特異の睾丸腫瘍を意味するものとあつて一定しない。Carl RuscheはMoore及びFriedmanの分類を可とし,性細胞より分化したものをゼミノーム,卵母細胞より分化したものを卵母細胞腫又は絨毛上皮腫として,その他に胎生性癌腫,畸型癌腫,成熟畸型腫と分類している。
本腫瘍組織の成立に關する見解は區々で未だ一致しないが主なる説として,(I)上皮細胞説
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