皮膚科圖譜・8
諾威疥癬
笹川 正二
1
,
佐藤 直子
1
1東大皮膚科
pp.300
発行日 1951年7月1日
Published Date 1951/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200537
- 有料閲覧
- 文献概要
30才,男。4年前より指間に小丘疹を生じ,褥温により掻痒あり,次第に躯幹及び四肢に蔓延,2年前より角質増殖を來たした。魯鈍な浮浪者で手指背,前膊,肘頭,膝蓋,足背,耳殼,包皮に貨幣大より鳩卵大,灰黄白色の鱗屑が蠣殻樣に厚く重層し,邊縁に疥癬隧道あり,紅暈で圍まれている。之を剥離すると點状に出血し,鱗屑を苛性加里で軟化すると疥癬蟲,幼蟲,卵が殆んど無數にまで見られる。爪甲も肥厚,溷濁している。尚腋窩,肘窩,膝膕には紅斑,落屑面,他の顏,頭を除く部位には小丘疹が見られ,血液像にエオジン好性細胞は5%ある。
Copyright © 1951, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.