特集 冠動脈疾患のリスク管理のフロントライン
Ⅰ.冠動脈疾患イベントリスクをどう評価する?
血液バイオマーカーでどう評価する?
井上 晃男
1
1獨協医科大学内科学(心臓・血管/循環器)
pp.572-578
発行日 2019年10月1日
Published Date 2019/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1438200300
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Point
・これまで様々な血管不全バイオマーカーが研究されてきた.なかでもCRPとcTnは高感度測定法が開発され,その有用性が高まった.
・CRPは血管不全の各段階で,病態把握や予後予測に有力な炎症マーカーであり,多くの大規模臨床試験で用いられている.実臨床の場での診療に応用するためにはCRPを含むいくつかのマーカーの組み合わせによるmultiple biomarker strategyを目指すべきと考える.
・心筋傷害マーカーであるcTnは血管不全の終末像である急性心筋梗塞の診断に有用なマーカーであり,今後はcTnを基にした急性心筋梗塞の早期診断が本邦でも益々普及することが予想されるが,false positiveには警戒が必要である.
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