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平成9年9月19-20日に名古屋の国際会議場において,第1回日韓脊髄外科カンファレンスが開催されました.この会の開催は平成8年に行われた第11回日本脊髄外科研究会の際に,韓国のProf.Young-Soo Kim, Prof.Sun-Kil Choi, Prof.Jung Keun Suhから愛知医科大学脳神経外科の中川洋教授の方へ開催の申し出があり,その後数度の話し合いの結果実現の運びとなったものでした.日本から66名,韓国から64名のいずれもアクチブな脳神経外科医が集まり,エモリー大学からはHaid教授,ルイジアナ州立大学からはLec-lercq教授をゲストとしてお迎えして活発かつ友好的な論議が2日間熱心に行われました.
メインテーマとしてはインスツルメンテーションとOPLLが取り上げられ,22題のシンポジウム演題,49題の講演演題,35題のポスター演題が発表され,いずれのセッションにおいても活発な討論が行われました.また,Haid教授からは,Spinal navigation, Leclercq教授からはRationalefor lunlbar interbody fusion technique and re-sults, Yonsei大学のKim教授からは360 degreesfixation for spondylolytic spondylolisthesis byone stage posterior approach,花北からはseveralimportant points to be considered at the spinalinstrumentation surgeryのタイトルのセミナーが行われました.脊椎・脊髄外科における韓国脳神経外科のレベルは目を見張るものがあり,欧米での十分な臨床研修を積んだ若手脳神経外科医達も多く見受けられ,韓国ではかなり欧米流の本来の脳神経外科が行われていることがよく分かりました.すなわち,脳神経外科医が,単に頭蓋内疾患のみでなく,脊髄疾患,末梢神経疾患をも十分に対象としており,例えばわが国では脳神経外科医が全くといってよいほど経験のない交感神経切除術も数百例の単位で報告されていました.また内視鏡を積極的に導入した脊椎脊髄手術や各種のインスツルメントを用いての手術などは,韓国脳神経外科の脊髄外科分野における,かなりの先進性を示していると考えられました.また,個々の施設が経験している症例数はかなりのものがあり,センター化した病院運営がなされているものと考えられました.わが国においては施設の過剰,それによる症例の分散化の弊害のために,他の分野と同様に脊髄外科領域においても臨床研究ではこのままの状況であれば十分なものが生み出されないのではないかとの危惧を強く持ちました.
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