Japanese
English
総説
神経心理テスト
Neurpsychological Test
武田 克彦
1
Katsuhiko TAKEDA
1
1東京大学神経内科
1Department of Neurology, Faculty of Medicine, University of Tokyo
キーワード:
Neuropsychological test
,
WAIS
,
WAB
,
WMS-R
Keyword:
Neuropsychological test
,
WAIS
,
WAB
,
WMS-R
pp.533-539
発行日 1992年5月10日
Published Date 1992/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436900457
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I.はじめに
1.神経心理テストとは
この総説では紙面の都合があり,すべての神経心理テストを網羅的に取り上げることはできない.いくつかのテストにしぼって説明することにする.今回取り上げることができなかった他の神経心理テストについて詳しくお知りになりたい方は,Lezak15)の本を参照していただければさいわいである.
ここで取り上げたテストは,それぞれのテストの信頼性と妥当性が高いと考えられている.テストの信頼性とは,そのテストを時期や状況を変えて実施したときに,どの程度の誤差が生じるかということを示す指標と言える26).妥当性とは目標としている精神現象の一側面をそのテストの内容が適切に代表しているかということである.神経心理のテストの場合は,一般にテストが目標としている能力がきわめて明確であるわけではないので,神経心理テストの点数などに過大な評価を与えることはできないことをあらかじめのべておきたい.いままでの議論から,例えばただ一つのテストで器質的な障害と機能的な障害をわけることができないことや,あるテストさえすれば神経心理学的な症候群をすべて網羅的にチェックすることができないことがおわかりになるであろう.
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