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今年度の日本脳神経外科コングレス総会が終わりました.開催様式だけでなく開催場所にも紆余曲折があり,運営の方は大変苦労されたと察しますが,会長が積極的に新しい形を導入されたことと,その素晴らしいホスピタリティーで大成功に終わったと感じました.今年のコングレスには現地でもWebでも参加しました.そこでは,未来の学術集会のあり方を垣間見たような気がしました.コングレスは,脳神経外科医としての生涯学習と知識のアップデートを目的とした会でありますので,たくさんの人が大きな箱に集まることだけではなく,限られた条件の中でもさまざまな工夫を凝らせば,多くのことができるということを目の当たりに教えていただきました.これから社会が落ち着いていったとしても,今回の学会で築かれた新しい仕組みが生かされていくことを期待いたします.
本号の扉では,防衛医科大学校の和田孝次郎先生から,防衛医官としての米国留学という貴重な経験を紹介していただきました.なかなか経験できない興味深いお話です.山田茂樹先生からは総説として,新しいiNPHのガイドラインの紹介をいただいています.馬場武彦先生からは「脳神経外科と働き方改革」というタイトルで,具体的にそのシステムについて詳細にご解説いただいています.また,川合謙介先生からは,連載の第2回目として,てんかん患者の運転免許について,われわれの日常診療にすぐに役立つ原稿をいただきました.原著として,長崎県の救急科が初動する脳卒中ホットラインについての報告があります.長崎県には離島も多数あり,first touchを行う医師が脳卒中専門の医師であることが困難であり,逆にこれをうまく利用してシステムを構築し,さらにそれを評価しているものです.その他にも症例報告が8編掲載されています.また,教訓的症例に学ぶシリーズでは,脊髄硬膜外血腫の診断についての報告があります.
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