扉
恐竜の骨と木星の麻
魚住 徹
1
1広島大学脳神経外科
pp.1109-1110
発行日 1977年10月10日
Published Date 1977/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436200705
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昭和47年だったと思うが子供を連れて「ソビエト恐竜展」を観に行った.その前年,シカゴでも博物館で別種の大きな骨骼などを見た.恐竜の骨を見ているとだいたいのところOS……というように人骨になぞらえて名前を自分なりにつけることができる.あそこにヒルンが入っておって,あの辺にレーバーがあって……きっとそうするとcyclic AMPとかいうむずかしいものも働いて居たんやろなあ……,成長するのに成長ホルモンで大きくなりよったんやろなあ……脳下垂体なんか大きいんかなあ…….それにしてもこんな図体が大きいのやから,ようけ食いよったんやろなあ,それにしても1億年も前からあまり変わっとらんところがようけあるわけやなあ,と考えていて,私はこの爬蟲類は要するにヘビ,トカゲの親類の祖先みたいなものであるにしては骨骼が頑丈で手足がたくましく長いのが妙に印象に残った.
最近,バッカーという人の論文(恐龍,R.T.バッヵー,SCIENTIFICAMERICAN日本版,サイエンス,1975,6月号,p.47-65)を読んだ.恐竜は現生爬蟲類と似ているという単純な理由で冷血動物すなわち外温動物と考えられて定説化しているが,著者は恐竜は温血動物すなわち内温動物で現生のトカゲとは全く異なる生物である……とし,その訂正再分類によると恐竜の子孫は現生の鳥類だというのである.その主なる論拠は2つある.
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