連載 教訓的症例に学ぶシリーズ
(2)くも膜下出血で発症した多発脳動脈瘤症例の治療戦略:コイル塞栓に適した動脈瘤とコイル塞栓不可能な動脈瘤の合併症例において
穂刈 正昭
1
,
長内 俊也
1
,
中山 若樹
1
,
濱内 祝嗣
1
,
伊藤 康裕
1
,
下田 祐介
1
,
寳金 清博
1
1北海道大学大学院医学研究科脳神経外科
pp.651-656
発行日 2012年7月10日
Published Date 2012/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436101776
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Ⅰ.経験症例
1.症例
46歳女性,意識障害を主訴に当院に救急搬送された.来院時の意識レベルはGlasgow Coma Scale(GCS)でE2V3M3,瞳孔不同(左5mm>右3.5mm)を認めた.頭部CTでFisher groupⅢのdiffuseなくも膜下出血(SAH)を認め,大脳縦裂(interhemispheric fissure:IH)にやや厚い血腫を認めた (Fig. 1A-H).血管撮影を行ったところ,3D-DSAにて左P1に上向きの細長い動脈瘤(長径約5mm)と(Fig. 2A),左A1-2に約2mmの動脈瘤を認めた(Fig. 2B).
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