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I.はじめに
てんかんの脳波所見と予後との関連については古くから多くの検討がなされてきたが,その中には,臨床脳波の観点からの研究も多く,とくに焦点性発作波の局在と発作の予後との関連について注目した一連の報告がある。
1960年,Gibbsら9)は中側頭部に棘波焦点を有するてんかんについて述べ,それがもっぱら小児において見られ,しかもその予後が前側頭部のそれにくらべ,はるかによいことを報告している。周知のごとく,Gibbsの脳波記録法は彼独自の電極配置法によるものであるが,その後10〜20電極法によって,Lombroso14)(1967)は中側頭—中心回部に焦点を有する小児てんかんについて報告し,年齢,臨床症状,脳波所見,予後の良好さなどから側頭葉てんかんとは異なる,小児の部分てんかん(partial epiepsy)の一型としての"sylvian seizure"の特徴を記載している。さらに,Blomら4)(1972)は,同様な小児てんかんをbenign epilepsy of children withcentro-temporal EEG fociと呼ぶことを提唱し,Beaussart2)(1972)は,はっきりと,このてんかんを,その特徴的な脳波,臨床と予後から,臨床的一単位として考えうることを述べた。
Clinical features of the epileptic patients with midtemporal-central spike foci were investigated. Among 1,149 epileptic patients who visited us in the past 10 years, 78 cases showed the localized seizure discharges in the midtemporal-central areas, either unilaterally or bilaterally (mirror foci), without any other types of seizure discharges, in the first examined EEGs.
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