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特集 日本脳炎
後遺症—精神神経学的立場から
Sequela of Encephalitis Japonica: From the Viewpoint of Neuroprychiatry
後藤 彰夫
1
Akio Goto
1
1都立松沢病院
1Matsuzawa Hospital
pp.329-351
発行日 1967年8月25日
Published Date 1967/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904413
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I.はじめに―後遺症研究の展望―
日本脳炎後遺症の臨床精神医学的研究は,昭和7,8,10年度の症例についての中・黒岩1),桜井・伊藤2),山本・池田3)諸氏の調査研究と,昭和10年度症例に関する植松・中野氏4)〜6)の研究,さらに昭利23,24,25年度罹患例を中心にした立津・後藤7)〜13)の研究がある。これらの研究資料は,立津・後藤のものを除くと,本症が法定伝染病に指定される以前のものであり,材料に選択の加わつた可能性がある。
中・黒岩の研究は,昭和7,8年に罹患した24例の急性期後それぞれ1年,2年後の調査である。年齢構成は,15歳以下9例,予後の概観は,全治例が若年者に非常に高率である(若年者77%,成人26%)。後遺症は若年型,成人型にわけて考察されている。若年型には,全治例,錐体外路性障害を貽すもの,瞳孔障害や錐体路性粗大麻痺を貽すものを,成人型には,単純脳動脈硬化症様症状,一時全治後脳出血を起こしたもの,コルサコフ症状群,急性期に引き続いて起るパルキンソニスムス,ミオクロニーを分類している。
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