症例報告
質疑応答
所 安夫
1
,
小川 鼎三
,
鬼頭 昭三
2
,
椿 忠雄
2
,
吉川 政巳
2
1東大病理
2東大沖中内科
pp.232-237
発行日 1956年1月15日
Published Date 1956/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901500
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(問)病理解剖上の所見より脳血栓症(Gehirnthrombose)と脳栓塞症(Gehirnembolie)とを区別し得るや?
(答)脳栓塞症は,元来脳以外の臓器の病変(例えば心内膜炎や外傷や腫瘍等)に由来する栓子(Enbolus)(血液成分からなる血栓栓子や空気ガス腫瘍細胞等の栓子)が脳にはこばれて何処かの血管を閉塞させた時に惹起される現象であり,脳血栓症は脳の血管自体の病変(血栓性閉塞性血管炎,結節性動脈周囲炎,結核性又は梅毒性血管炎,細菌性血管炎,動脈硬化症など)に由来する現象であって,相互に類似した概念ではあるが過程としては別物と考えておくのが望ましい。
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