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はじめに
神経ネットワーク形成の初期過程は神経軸索が特定の経路に沿って伸長し遠距離にある標的に到達することである。伸張しつつある軸索の先端には成長円錐(growth cone)が形成され,軸索を特定の方向にガイドする因子のセンサーとしての役割を果たしていることがよく知られている。この10年ほどの問に,軸索をガイドする分子とその受容体が次々に同定され,軸索ガイダンスの分子的実体が明らかになってきた。さらに,標的組み換え技術を利用して軸索ガイダンス因子やその受容体の遺伝子機能を破壊したマウスが作製され,これら軸索ガイダンス因子とその受容体の生体での神経ネットワーク形成に果たす役割が明らかにされてきている。この小論では,軸索を反発する機能を持つ軸索ガイダンス因子セマフォリンとそのレセプターであるニューロピリンに焦点を合わせて,秩序だった神経ネットワークの形成制御の仕組みについて述べる。
Neuropilin-1 is a type 1 membrane protein expressed in developing neurons. Neuropilin-1 binds class 3 semaphorins including Sema3A which can induce neuronal growth cone collapse and repulsion of axons. To clarify the roles of neuropilin-l-mediated Sema3A signals in vivo, we produced neuropilin-l-deficient and Sema3A-deficient mutant mice by targeted disruption of the neuropilin-1-and Sema 3A genes, respectively. Neuropilin-l-deprived dorsal root ganglion neurons were perfectly protected from growth cone collapse elicited by Sema3A.
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