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I.序言
腎透析患者においては,restless legs症候群(RLS)を合併することが多い3,11)。RLSの概念が確立される過程において,Ekbom(1945)4)の多数の症例に基づく詳細な報告が重要な貢献をした。RLSの特徴的な臨床症状は,安静時に出現する下肢のムズムズ感と表現されることが多い,きわめて不快な異常感覚(creeping sensation)である。その症状が夜間の入眠時に出現・増悪し,それが原因となって,患者が強い不眠症に悩まされることになる。Lugaresiら(1986)7)は,RLSの患者では下肢のミオクローヌス様運動(nocturnal myoclonus)が睡眠時に周期的に出現することが多いことを見出した。この下肢の周期性運動のほとんどは足関節の一過性の背屈運動であって,神経学的症状としてのミオクローヌスとは異なる現象であり,てんかん性の現象でもないことより,Coleman(1982)2)は,その周期性運動をperiodic movements in sleep(PMS)と呼ぶことを提唱した。夜間の睡眠中のPMSの出現様式に関しては,PMSはstage 1やstage 2の浅いNREM睡眠中に出現しやすく,REM睡眠中にはほとんど出現しないと報告されている7)。しかしPMSは,NREM睡眠中の出現頻度よりは明らかに低いものの,REM睡眠中にも出現することがある。広義のミオクローヌス様運動は,その責任病巣が脊髄,下位脳幹,上位脳幹,大脳皮質のいずれにあるかによって,覚醒時に多く出現したり,逆に睡眠時に多く出現したりするなどと,その出現様式が異なるとされている8)。われわれはPMSの発現様式を明らかにする目的で,腎透析中の患者につき,夜間の睡眠ポリグラフ検査を施行した。
Uremic patients under hemodialysis treatment are often affected by restless legs syndrome (RLS), characterised by unpleasant creeping sensations in the lower legs at rest, especially during the night. RLS is often accompanied by PMS. The mechanism of PMS, however, is yet unknown. In this study, we analysed the relationship between the frequency of PMS and sleep stages.
Polysomnographic recordings were performed in 8 hemodialytic patients with RLS (4 males and 4 females, mean age; 54.6). Sleep stages and PMS were scored according to the criteria of Rechtschaffen and Kales (1968) and Coleman (1982) respectively.
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