特集 しびれQ&A—ビビッとシビれるクリニカルパール付き!
【しびれ診療のQに答えます!】
Q16 しびれ患者への漢方薬の上手な使い方は?
石田 和之
1
1中央大学 保健センター
キーワード:
腰部脊柱管狭窄症
,
神経性間欠性跛行
,
疎経活血湯
,
神経栄養血管の循環障害
,
瘀血の証
Keyword:
腰部脊柱管狭窄症
,
神経性間欠性跛行
,
疎経活血湯
,
神経栄養血管の循環障害
,
瘀血の証
pp.204-209
発行日 2023年2月15日
Published Date 2023/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204166
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CASE
患者:63歳、男性。
主訴:足がしびれて長く歩くことができない。
現病歴:X-5年:両側の爪先にしびれが出現。X-2年:歩行中に爪先から足底、大腿後面あたりまでしびれが拡大するようになった。X-1年:100mほど歩くと足底から足関節周囲に熱感が出現し、しびれも増強して歩くことが困難となった。この場合、座ったり屈んだ姿勢で数分間休むとしびれが軽減し、再び歩き出すことができた。自転車ではしびれは増強しなかった。整形外科を受診し、腰椎MRI検査で腰部脊柱管狭窄症と診断され、保存的治療を1年間続けたが、症状は改善しなかった。漢方治療を希望して当漢方外来を受診した。
既往歴:58歳で高血圧を指摘され、現在まで降圧薬内服中。
生活歴:無職。飲酒なし、喫煙なし。
現症(現代医学的所見):身長162cm、体重83kg。血圧132/96mmHg、脈拍数72回/分。胸腹部に特記すべき所見なし。神経学的所見:座位安静時に両下腿から足底部かけて“ビリビリ”としたしびれを自覚するが、他覚的感覚障害は認めなかった。下肢筋力低下なし、両側深部腱反射正常、病的反射を認めなかった。100m程度の歩行でしびれが増強し、歩行困難となった。下肢の皮膚の色調に異常なし。後脛骨動脈・足背動脈拍動は良好。
体質(漢方医学的所見):食欲良好、便通整、夜間尿3回、冷え性ではない。
検査所見:腰椎MRI:腰椎の退行性変化によるL4/L5の配列不整、脊柱管狭窄を認めた(図1)。
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