特集 こんなときこそ漢方を!
【スキルアップ! 漢方Tips】
小児への漢方薬の上手な使い方・飲ませ方
藤井 泰志
1
1南大沢メディカルプラザ2小児科
pp.1659
発行日 2018年12月15日
Published Date 2018/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201819
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◦始め方、やめ方
漢方薬のなかには、甘くて飲みやすいものがいくつかある。飴が入っている小建中湯や黄耆建中湯、構成生薬がすべて食材由来(小麦、なつめ、お菓子の甘味料にも使われる甘草の3種)の甘麦大棗湯、そのほか人参湯や麦門冬湯などは比較的飲みやすい。処方選択に迷ったときは、飲みやすい処方から先に使用すると、長続きすることが多い。
また、体に合っている物は比較的おいしいと感じ、合わない物はまずく感じる傾向がある。おいしく飲んでくれている場合や、初めは辛かったけど次第に慣れてきたという場合は、そのまましばらく継続でよい。しかし、どんなに頑張っても飲むのが苦痛になるようであれば、そもそも見立て違いで、体に合っていない漢方薬を選択した可能性がある。そのような際には、早々に別の処方への変更を検討したほうがよい。また、しばらく問題なく飲めていた薬がいつの間にか飲めなくなってしまった場合は、体質が変わって今の薬が合わなくなった、あるいは治療不要となった可能性がある。症状が消失していれば治療終了を、何らかの症状が残っていれば他剤への変更を、検討する頃合いと考える。
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