特集 しびれQ&A—ビビッとシビれるクリニカルパール付き!
【しびれ診療のQに答えます!】
Q1 中枢性のしびれを見逃さないためにはどうすればよい?
塩尻 俊明
1
1総合病院 国保旭中央病院 総合診療内科
キーワード:
単肢の運動麻痺を伴わないしびれ
,
pure sensory stroke
,
手口感覚症候群
,
顔面の触覚と温痛覚の感覚解離
,
延髄外側症候群
Keyword:
単肢の運動麻痺を伴わないしびれ
,
pure sensory stroke
,
手口感覚症候群
,
顔面の触覚と温痛覚の感覚解離
,
延髄外側症候群
pp.146-149
発行日 2023年2月15日
Published Date 2023/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204148
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CASE
患者:60歳、男性。
主訴:右下肢のしびれ。
現病歴:本日、朝から左への体の傾きと右下肢のビリビリ感を自覚。力は入り、冷感はない。体位での変化はなかった。明らかな麻痺はなく、顔面・右上肢に感覚の異常もなかった。改善がないため外来を受診。
ROS:5日前に後頸部痛を自覚。
既往歴:高血圧を指摘されたことはある。
薬剤歴:内服なし。
生活歴:農家。飲酒は日本酒2合/日、喫煙なし。
身体所見:意識清明。血圧170/113mmHg、心拍数88回/分、呼吸数12回/分、体温36.6℃、SpO2 96%(室内気)。神経学的には、鼠径部から右下肢前面も後面も下肢全体に「ビリビリ」とした異常感覚を認めた。温痛覚と触覚のいずれも、左に比べて低下していた。振動覚・位置覚は保たれている。徒手筋力テストで下肢に筋力の低下はなく、深部腱反射にも左右差はない。Babinski徴候も認めなかった。診察でも、顔面・上肢に感覚や筋力の異常はなかった。坐位・立位で左に傾き、継ぎ足歩行は左に傾いてしまうため困難であった。
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