#総合診療
#書評:—帰してはいけない小児外来患者2—子どもの症状別 診断へのアプローチ
崎山 弘
1
1崎山小児科
pp.370
発行日 2020年3月15日
Published Date 2020/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202537
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
小児科外来を訪れる患者の多くは「自然治癒」します。おおむね間違いではない診断をつけて投薬をしながら経過を診れば、医療によって症状が多少早く落ち着くかもしれませんが、多くの場合で治癒に至る道筋をつけたというほどの貢献はしていません。しかし、本書に出てくる疾患は、直ちに確定診断することは難しくても、診断が曖昧なままに診療を終わらせてはいけない(帰してはいけない)ものばかりです。病気の診断、特に重篤な疾病の診断を、一瞬にして成し遂げられる人はそうはいません。「何かおかしい」「どこか説明がつかない」など紆余曲折しながら診断に至ることが大部分です。
前作『帰してはいけない小児外来患者』(2015)では、主訴と所見をどのように結びつけるか、単なるひらめきに終わらせることなく、診断に至る思考の組み立て方を中心に、症例の診断経過が記載されていました。第2弾となる本書では、この症状では具体的にどのような点に注意するべきか、が丁寧に解説されています。「診断の筋はよかったけれど、最後の決め手に欠けた…」という苦い経験に至ることを防ぐ判断力が養われます。
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.